沖縄芸能大会本番!
昨日は第69回沖縄芸能大会の本番だった。
わたしの出番は第二部に集中してたので朝は重役出勤(違)できたし、控え室も去年に比べて人数少なくてゆったりできた。らくちん~。
今年も一時に始まって午後五時に終わるという一大興行。で、今年も例によって「ステージに棲んでいる魔物」があちこちに降臨し、わたしたちの肝を冷してくれた。
一発目の「魔物」はいきなり第一部幕開けに降臨。
出番はまだまだ先だから、と、お弁当を食べたあとのんびり着替え準備にはいっていたところ、客席まで偵察に行っていたグループが戻ってきた。
「幕開け斉唱で緞帳が下りなくて大変だったよ~」ええっ。
指揮者のいない邦楽系の演奏は、始まりと終わりのタイミングを事前に綿密に打ち合わせて置かなければならない。幕開け斉唱の後奏はどこで終わるか、というのは、今回の場合、「幕が降りたら」ということになっている。それが下りないってのは困る。第二部幕開けは大丈夫なんだろうな。頼むよー。
客席にもぐりこんでステージを見たり、師匠に呼ばれて地謡の最終リハーサルをやったりしているうちに第一部終了。いよいよ第二部幕開け。わたしの今年の位置は歌三線の最前列の左側。笛の人たちの後ろだ。あ、胡弓の人もいる。
川崎の沖縄県人会会長が挨拶している間、幕の後ろではエンディングのタイミングについて最終確認。っていうか「終わるタイミングは?」「後奏3回?」「いや、幕が下りたら」「ちゃんと下りるんでしょーね?」……というやりとり。
「大丈夫。ちゃんと下りるから」なんて言ってる間に県人会長の挨拶が終わって「踊くはでさ節~宮城くはでさ節~屋慶名くはでさ節」がスタート。うん。なかなかいいできじゃない?
「屋慶名くはでさ節」が終わって後奏に……さあ、幕が……幕が……
下りてこないぞー、おお~い。
幕に視線が行きそうになるのを必死でこらえ、祈るような気持ちで後奏を弾き続ける……
お客さんの拍手キター! 幕下りてきたぞ……やれやれ(どっと疲れた)。
舞台袖から続く「諸屯」を見て、大慌てで楽屋に戻って化粧直しして、かわいい子どもたちが踊る「谷茶前」で客席が盛り上がっている間にスタンバイ。
去年まで地謡は舞台の右端に目立たなく控えて演奏するのが常だったが、今年の「
野村流音楽協会関東支部35周年記念公演」から地謡の位置が大幅に変更。なんと踊り手さんの後ろ、舞台奥で演奏することになってしまった。
おまけに地謡の入れ替えはニ演目単位。おかげでわたしは、気がついたら「下り口説」の間中、舞台のほぼ中央に控えてサラシモノ状態に(笑)。くそ暑い黒留袖と舞台照明のおかげで、右のこめかみあたりに浮いた汗が伝い落ちてきそうな気配を感じながらも、拭くわけにもいかず……
ようやく「日傘踊り」の番が来たときには、緊張の極地で肝(ちむ)ドンドン状態。ひーん。
ま、でも、川崎のリハーサルでさんざん苦労した歌いだしのタイミングはばっちり。一箇所、「ステージの魔物」が下りてきちゃったところがあったけど、思い切り小物のヤツだった。ああよかった。
来年はまた第一部幕開けだな~。でも今度はまた地謡もあるだろうし。今度はなんだろ。楽しみなような怖いような……(笑)
あ、忘れてました。今まで幕開け斉唱や器楽合奏には出たことあるけど、あれは大人数なんでひとりひとりの名前はアナウンスされないのです。今回の芸能大会ではじめて自分の名前が呼ばれたわけで、ちょっと感慨深いものがありました。
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