帰ってきた山原船大会
今日は野方区民ホールで開催された「帰ってきた山原船大会」に行ってきた。
いやもう見ごたえある先輩方の芸の数々、なによりも嬉しい愛蔵さんの元気な姿、いいものを見て聴いて、ほんと命薬(ぬちぐすい)やっさ~。
(会場には愛蔵さんの作品も展示された)
会場には多くの人が詰めかけ、「チケット完売」のアナウンスが流れていた。会場のあっちこっちに知った人の顔が……うーん、こうやって見るとわたしの沖縄コネクションのかなりの部分は「山原船」でかたち作られたものなんだなぁ、と実感せざるをえない。なにしろ
三線の師匠に出会ったのもこの店ですから。愛蔵さんがいなかったら、少なくともわたしが野村流古典をやってることはなかったと思う。
会場には愛蔵さんの作品のほかに、当時の「山原船」の写真も展示されていた。わー懐かしい。ほんと狭かったんだよなあの店。二階の部屋でお稽古があって、それが終わるとたいてい階下のカウンターで、愛蔵さんの特製「やんばるサワー」を飲みながら、みんなで愛蔵さんの歌を聴いたり、時には愛蔵さんの三線借りて歌ったりしたんだっけ。カウンターの椅子に座りきれない人は後ろで立って飲んだり、時にはカウンターの中に入ったり二階へ続く階段に座って飲んだり……お店はなくなってしまったけど、あそこでの思い出はしっかり残ってる。それは今日ステージに上がっていた人、客席から熱い声援を送っていた人、みんな一緒なんだろうなぁと思った。
わたしなんかは「山原船」常連の中ではうーんと新入りのほうなので、今日ステージに立った人たちのほとんどは芸歴の上でもはるか上を行く人たちばかり。それだけにその演奏はすばらしいのひとことに尽きました。
三線デュオ「綾羽」のすばらしいハーモニー、カザルスの十八番と言われた「鳥の歌」を演奏する尺八の柔らかい音、新城亘さんの味のある「トゥバラーマ」、キレのよいエイサーのニーニーの踊り……それに忘れちゃいけない、車椅子でスウィングする愛蔵さん(笑)。
ステージにはほとんど車椅子で登場したけれど、一度は杖を突いて立って歩く姿も披露した愛蔵さん、来年こそはちゃんと三線弾いて歌う、と力強く宣言してました。なんだか来年が楽しみ。
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