クラシックの夕べ
久しぶりにN響のコンサートに行った。
プログラム:
デュカス/交響曲「魔法使いの弟子」
チャイコフスキー/ロココ風の主題による変奏曲 作品33
(チェロによるアンコール:プロコフィエフ「兵士の行進」)
ルーセル/バレエ組曲「バッカスとアリアーヌ」第二番
ストラヴィンスキー/バレエ組曲「火の鳥」
指揮:
ウラディーミル・アシュケナージ
チェロ:デーヴィッド・コーエン
そもそものコトの起こりは、今年のはじめ、ストラヴィンスキーの「火の鳥」が生オケで聴きたい! と衝動的に思ったこと。
どこかでコンサートの予定はないかな、とインターネットで検索していたら出てきたのがこのN響のコンサート。半年先かよ~と思ったけれど、指揮者アシュケナージというのにも惹かれてチケットを買った。
アシュケナージは、わたしの一番好きなピアニストである。
昔々ピアノを習っていた頃、亡き父がアシュケナージのピアノリサイタルに連れて行ってくれた。
モーツァルトのピアノソナタKV.331だったか……最初の一音でノックアウト。
同じピアノから、どうしてあんなにも違う音が出るのだろうと不思議だった。そりゃ使ってる楽器の値段は段違いだけど、それにしても、別次元の高みにあるようなあの音は衝撃的で、今でも忘れられない。
その後、沖縄にはまってクラシックから遠ざかっている間に、アシュケナージは活動の場をピアノから指揮に移した。NHK交響楽団の音楽監督に就任したと聞いても、「ふーん」とは思ったけれど積極的にコンサートに出かけてみようとは思わなかった。わたしの認識では、やっぱりアシュケナージは指揮者よりピアニスト、だったのだ。
ところが……
昨年のNHK大河ドラマ「功名が辻」のオープニング音楽を聴いて、「おっ?」と思った。
曲もよかったんだけど、戦国時代のきらびやかさと荒々しさをここまで表現できる指揮者アシュケナージって、もしかしたら凄いかもしれない……(今頃気付くな)
というわけで、一度演奏をナマで聴いてみたいとは思っていた。
で、期待いっぱいでやってきましたコンサート。
いやよかったです~。
デュカスの交響曲「魔法使いの弟子」(映画「ファンタジア」のおかげで、どうしてもこの曲を聴くとミッキーマウスとバケツ持って踊る箒が脳裏に浮かんじゃうのだが)から、ストラヴィンスキーの「火の鳥」 まで、ダイナミックで色彩豊かなオーケストレーションを堪能できた。
生でアシュケナージを見るのはン十年ぶり。若い頃は神経繊細でちょっと気難しい、というイメージがあったのだが、すっかりキュートなおじいちゃんになったような気がする。小走りに登場する姿や、全身いっぱい使って時に腰をフリフリしちゃう指揮ぶりに、「か、かわいい……」と思ってしまった(爆)。
たまにはクラシック、もやっぱりいいなぁ……チケット代高いのが難点だけど。
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