琉球古典音楽の会

唯ねーねー

2008年04月06日 23:28



春は発表会の季節……なんてことはないはずですが(笑)。
今日、野村流古典音楽保存会の30周年記念公演に行って来ました。

三線の琉球古典に野村流・安冨祖流の二大流派があることは結構有名ですが(実は湛水流というのもあるんだけど)、同じ野村流でも色々な流派があって、その中ではわたしの所属する「音楽協会」ともうひとつ「保存会」が二大流派となっています。コンクールも別々に行っており、「音楽協会」のは琉球新報社、「保存会」のは「沖縄タイムス社」が主宰。

わたしも三線はじめてから、同じ野村流だと思ってた知り合いが実は保存会だった……と気づくのにだいぶ時間がかかったくらいなので、こういう内部事情(?)、あんまり知らない人が多いと思います。

基本的に一緒に活動することはないのですが、同じ分野の音楽をやるものどうしですから、相互のメンバーの交流は意外にあったりする。まあ「二大政党」みたいなもんですかね。某国のヘタレ政党よりはよっぽど真面目に活動してると思いますけどね(笑)。
こういう演奏会があれば、「敵情偵察」ってほどではありませんが、どんな公演なのか気になるもの。
というより、後学のためにもここは行くべきでしょ、というわけで、会場の中野ゼロホールへ。

いやー、ホントに勉強になりました。「古典フルコース」といってもいい充実ぶり。
独唱ステージと踊り&地謡ステージを交互に組み合わせる、という構成で、独唱にはふだんなかなか聞けない曲もあり、勉強になったし刺激にもなった。個人的には「本調子述懐節」がすごくいいなと思った。ちょっとマジで稽古してみよう。

八重山古典の世界にも、安室流と「安伴さんの流派(正式には八重山古典民謡保存会)」の二大流派があって、わたしたちと同様、一緒に活動することはないし、コンクールも別々に行っている。どっちにしても部外者にはあまり知られていないし、どこの流派に属しているか確認してから話をしないと話が合わなくなったりするので面倒なのだが、最近はこういうふうに流派がふたつあるのも、それはそれでいいのかもなぁ、と思うようになった。

お互いにライバル意識をもって芸を磨くことにもなるし、同じ唄を少し違った角度からとらえるというのも、その唄をより立体的に理解することになるのかもしれない。
そういえば、沖縄の小さな離島にも竹富島(仲筋と玻座間)や多良間島(仲筋と塩川)みたいに、二大集落があってそれぞれ芸能を競い合っているところがあった。こういうのってもしかしたら「沖縄的知恵」なのかな……
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