仕事が終わって即KOZAに駆けつけ、陣取ったのは最前列。
いやだって踊りや地謡をこんな至近距離で見られるなんて機会、自分達の地謡のリハーサルくらいしかないですもの。
(で、そういう場合、正直あまり踊りに集中している余裕はない。それどころじゃないもん)
この日のステージは三線と太鼓と舞踊のコラボレーション。その間に舞踊のワークショップと太鼓のワークショップをはさみ、最後は組踊「執心鐘入」の一部を抜粋、という、ユニークで意欲的な試み。
最初は舞踊のワークショップ。なんと舞踊初めてという人たちに「かぎやで風」教えちゃいます。相当無茶(笑)。
でも先生の解説を聞いてるだけで、舞台にあがってるわけではないけど以前三ヶ月かけて覚えた「かぎやで風」の動きをだんだん思い出してきました。そうそう、こんなしてこんなして踊りましたよ、うんうん。
……いざとなったら特訓すれば宴会の余興くらいは出られそうな気がしてきた(爆)。
その後のステージは新たな発見の連続。かぶりつきの位置で見てると、今まで気づかなかった細かい動きもよく見えるんですよね。「加那よー~天川」で、男女の駆け引きがあんなに細かく身振りで表現されてるなんてはじめて知ったし、「花風」の遊女の後姿のラインがなんとも言えず色っぽいなーと思ったり。
今回わたしも太鼓のワークショップに参加。今まで宴会の余興で叩かせてもらったりしたことはあるんですけど、太鼓をちゃんと習ったことはありません。だからバチの持ち方とか叩き方など、基本を教えてもらえたのはとても勉強になりました。
ワークショップの課題曲は「上り口説」でしたが、やっぱり右とか左とか、つい逆やっちゃったりと大変でした。
でもこれも、今度チャンスがあったらもっとカッコよく叩けそうだ(違)。
そして最後の「執心鐘入」。これは組踊りの場面をダイジェスト化し、女が鬼になっていくクライマックスのシーンを太鼓と笛、踊りの組み合わせで表現したもの。これがまたすばらしかった。わたしが古典の曲の中でも一番好きな「
干瀬節」が、テンポや歌詞を変えて、恋する女のときめきの表現からだんだん恨み節に変わっていくあたり、わたしにはまだまだあんな歌いわけはできないなぁと思ったり、鬼にならずにはいられなかった女の哀しみを表現する踊り手を見ているうちに、夢枕獏「陰陽師」の「生成り姫」を思い出したりして……
組踊を全部通しで上演するのは大変なので、こういうダイジェストの形でやるのは有意義な試みかもしれないと思います。
うちの流派の関東支部でも最近「組踊研究会」やってるんですよね。参加したいけれどさすがにそこまでの余裕はないっす。残念。
とにかく、これだけのものをあんなに間近で見せてもらえて感動です。またやっていただけると嬉しいんですが……
(大変だとは思うけど)
あ、それから、今回いただいたプログラム。もうプログラムの域を超えた力作。面白くてタメになりました(笑)。