2006年07月03日

35周年記念公演レポート

35周年記念公演レポート

7月2日。朝、いつもより早く起きるつもりがアラームの設定に失敗。また遅刻だーと必死で支度して、例によって東西線→都営浅草線→京浜急行→バスのルートで川崎市教育文化会館に直行。今回はどうやら間に合った。

でも例によって着付けのできる人は少なく、着るメンバーは多数。この混乱を軽減する狙いもあってか、最近導入された女性用の「制服」が今回デビュー。音楽協会の紋がついた濃い青の色無地に紫の袴というセット。わたしはまだ買ってません。やっと黒留袖の着付けにも慣れてきたんだし~、制服けっこう高いんだもん。

というわけで、今回もひとりで悪戦苦闘。帯も自力で結んだぞ~。でもなーんか変……タラ~
とりあえず沖縄の本部から来た先生方と一緒の記念撮影には間に合わせ、後できちんと着付け直してもらいました。
記念撮影に集まった先生方は全員黒朝(くるちょう)はちまち姿。いつもの演奏会ではだいたい黒紋付に袴なのだけど、さすがにこのカッコされると「琉球王国の伝統~!」という感じがしてさらに厳粛な気分に……

で、幕開けは例によって「かぎやで風」から。
でも実は、今回の幕開けは三階の客席から見てました(笑)。幕開け斉唱は男性だけだったのです。

幕の向こうから、いつもより気合の入った華麗な太鼓の音。それに続いていっせいに「工、五、四、工、四、乙、四、合尺……」
するすると幕が上がると、客席から「おおーっ」とどよめく気配。いや上から見ていても気持ちのいいものでありました。

続いて舞踊「かぎやで風」。これは地謡を本部&関東支部の師範のみが担当。唄三線の先生方はもちろん、箏・笛・太鼓、そして胡弓の奏者も全員黒朝はちまち姿という琉球王国フルオーケストラ編成。これはなかなか東京では見られないものなのです。いやー、よかったなぁ。

「かしかき」「前ぬ浜」まで見たところで後ろ髪を引かれるような思いで楽屋へ。舞台袖で「四つ竹」「浜千鳥」を見て、いよいよ自分の出番。第一部のラスト演目「独唱」です。
演奏は……舞台にスタンバってからあっという間に(と自分では思えた)幕が開いてしまい、「干瀬節」が終わって自分の「子持節」に……

歌う前はいろいろ考えてたんだけど、いざとなると思ったことの半分も盛り込めませんでしたね~。緊張ときっちり締めた帯のために息もいつもほど続かないし……
あ、でも、愛器「三星」君はいい音で鳴ってましたねー。弾きながら「いやいい音だな~」と感心してたりして(おいっ)。

終わったとたんにどーっと疲れが……汗もかなり出たはず(笑)。
いや、まだ女性斉唱が残ってるんだってば。くたんでーねーびらに。

また客席にもぐりこんで「暁節~瓦屋節」を聴き、「花風」と「高平良万歳」を見てから舞台袖に……なにしろ今回の演目は、自分たちとしても勉強になる見ごたえあるものが多いのが辛いところ。で、教師三人による独唱(これも全員女性)の間にその後の幕の背後でスタンバイ。そして、いよいよ「本嘉手久節~出砂節~揚高祢久節」の斉唱。リハーサルの時は調弦「B」だったのに、今日来たらいきなり「やっぱりCでいきますから」と言われて、ひぇ~ご無体な……と思ったのだけど、いや本番ではちゃんと高音(上のGまであるのよこれが)出てました。おそるべし女性パワー。

わたし個人的には、独唱終わって気が抜けたか、出だしぼろぼろミスってしまったのが無念です。ガ-ン

その後舞台袖から師匠の「述懐節」独唱を見て(相変わらず師匠の「しゅっくぇー」はいいなぁ)、器楽合奏を見て、最後の演目「松竹梅鶴亀」が始まったところで、あーもう早く衣装脱ぎたい、楽屋に戻ろ、と思ったら、「フィナーレで舞台に出るから三線だけ置いて戻ってきて」との声。えーっ、聞いてないよーと思ったけど(まあ沖縄関係じゃよくあることなので)急いで楽屋に三線置いて舞台袖に戻る。

「松竹梅鶴亀」が終わって踊り手さんが引っ込んだ、と思ったら、舞台の地謡はそのまま「ヨシャイナウ節」を演奏。舞台袖にスタンバイしていた先生方と(まだ衣装着たままだった)メンバーや踊り手さんが出ていって客席に向かって礼。
ここたぶん八重山なら「ミルク節」が出るところだろうな。

♪十日越しの夜雨な スーリ 草葉潤わしゅし シャントシャリバ ユシャイノウ……

いやー終わった終わった。今度は5年後だなぁ……

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Posted by 唯ねーねー at 21:34│Comments(5)ステージ
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 今日は研究所の先輩と一緒に川崎で行われた野村流音楽協会関東支部の35周年記念...
野村流音楽協会関東支部35周年記念公演【むらさんのたいくつな日々】at 2006年07月04日 21:33
この記事へのコメント
唯ねーねー、お疲れ様でした~(^^)v

そっか~、あの女性斉唱の時の袴姿の衣装ってそういう意味だったのね~。
でもそれいい案ですよね~。黒留袖や訪問着に比べれば袴の方が付属品も少ないし、独りで着付けが出来るから楽ちんなんだけどね~
八重山古典民謡保存会も女性用の袴の制服作ってくれないかな~(一応、濃緑色の紋入りの訪問着はあるのですが・・・私はまだ持っていないけどね。)

そう言えば会場のお客さんの中で『最後はカチャーシーを踊って締めるのかな~』と言ってスタンバイして期待していた人がいるらしいが(一緒にいった友人の話によると)・・・・ある意味あの荘厳な公演の場でカチャーシーで踊り締めしたら怖いよね・・・(^^;)
Posted by おきみちゃん at 2006年07月03日 21:44
どうも初めまして!
おきみちゃんに連れられて(笑)、初めて琉球古典民謡の公演を聴かせて頂きました。
三線の音色だけならず、琴に胡弓に太鼓と優雅な演奏に聴き惚れてしまいました。
独唱もよくあのステージで堂々と唄えるものだなぁと感心しきり…
予め八重山古典民謡と似ている曲を教えて頂いてたので、より楽しむことが出来ました。有り難うございました。

でも、荘厳な公演の中にもやはり関東在住の沖縄の方々が沢山いらしてたので客席の雰囲気は和やかでしたね。
結構みんな飲んだり食べたりしてたような…
まぁ、「最後は唐船ドーイで盛り上がるのかなぁ」なんて言ってた勘違いなカップルも居ましたけど(笑)
Posted by むらさん at 2006年07月03日 23:53
おきみちゃん、むらさん、ご来場ありがとうございました。

袴のほうがぜったい楽ですよね~。もっと早く導入してほしかったです。
わたしの黒留袖はけっこう大枚はたいて買っちゃったので、着られるときは着ないとモッタイナイし……

最後はカチャーシー……
いやわたしも一瞬そうなのかと思ったんですが(爆)。

ま、そのかわり、打ち上げの席では、沖縄から来た先生方の中で、舞台進行にかかりきりで演奏できなかった方が「三線弾き足りないぞ~」とオンステージを繰り広げました。もちろんカチャーシーも。すっごく楽しかったです。
Posted by 唯ねーねー at 2006年07月04日 19:25
出番待ちをされている紫の袴の方が近くにいらっしゃいましたが、凛々しくて格好良かったです。
そう、なんか宝塚を思い起こさせるような(笑)

でも個人的には黒留袖の方が舞台には映えるような気がしますけどね。
Posted by むらさん at 2006年07月04日 21:38
レポート楽しく読ませていただきました。
あーあ、やっぱり見に行きたかった。。。
いつもの川崎と比べて格調高い雰囲気だったんですねー、さすがに記念公演。
私も幕開けのかぎやで風が始まった時、観客がどよめく感じ大好きです!
舞台に上がれてよかったー、思います☆
Posted by きょう at 2006年07月06日 21:08
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