2012年02月19日

新旧工工四

新旧工工四
昨日、今年初めてのお稽古上京に行ってきました。
いつもより早い時間のこだま号を予約した(というか、それしか取れなかった)ので、「米原方面の雪により15分遅れます」の表示を見ても、「おー順調に遅れてるな~」と余裕。もう冬のこの時期の風物詩みたいなもんだし。
途中通過した富士山は天気がよくて五合目まで雪で真っ白、という絵になる姿だったし、15分遅れが東京到着時には4分遅れになってました。JRがんばってるぞ(笑)。

時間に余裕があったので、東京駅から歩いて銀座の「わしたショップ」へ。お目当ては地下の書籍・CDコーナー。今回は野村流音楽協会の工工四のうち、舞踊の第一巻と第二巻。
琉球古典を習い始めた頃買った本は十ン年の歳月を経てもうボロボロ。特に舞踊曲の工工四は出番が多かったせいか、分解寸前のところをかろうじてメンディングテープでつなぎ合わせてる状態。というよりすでにページの脱落がはじまってる。汗

買い換えないとまずいなぁ、と思ってたんですが、先日行った教師研修会で「工工四は改訂するたびに間違いの訂正や最新の研究成果が盛り込まれていますから、特に今回の改訂版は買ってください」と言われたので決意しました(笑)。いっぺんに全部買うとかなりの出費になるんで、まず緊急度の高いものから。


最新版の工工四は世間の風潮に足並みをそろえてB5からA4へと大型化。今までのB5判に慣れてるので、ちょっと抵抗があったんですが、確かにこっちのほうが見やすくて「目にやさしい(笑)」。
こうやって並べて写真撮ってみると、やっぱり新しいのは「でかいなぁ」と思うと同時に、古いほうの工工四に対しては「一冊弾きつぶすまでよくがんばった……わたし」という感慨もひしひしと(笑)。
わたしにとっては人生の他の面はともかく、三線の習得に関しては淡々と過ぎていった十年なのですが、それでもお稽古続けていれば、三線の棹は磨り減るし、工工四は風化するんだなぁ。彼らがそれだけ「身を粉にして」尽くしてくれた分、ちゃんとわたしの芸の足しにしてきたかどうか、これまた改めて反省させられる部分でもあります。

ま、確かに、ページめくる手間を省くために端っこを切り離したり、ページの真ん中に切れ目入れたり、かなり酷い扱いもしてきたしなぁ……ごめんねぇ。
うちの流派の工工四は両面印刷ではなく、2ページ分を片面印刷してそれを折り曲げて綴じた形になっているので、そういう無茶もできるのです。めくらなくても大丈夫なくらい覚えたら、またメンディングテープでつないで現状復帰しておいたところもあるけど、切りっぱなしのままの場所も結構あるし……タラ~

で、まず買った工工四で調べたのは「間違ってるところを正しいと思って覚えてないか」というチェック。
もちろん工工四に間違いがあるのは周知の事実。前にも確かブログに書いたことがあるし。
今回見てみると、確かに以前訂正したところはみんな直ってます。しかし、歌詞で訂正されてたの気づかずに訂正前のバージョンで覚えてたところを発見。きゃー。

その他にも、舞踊の地謡用に作られた工工四なので、昔はかなり手抜きが……というか、「覚えるときはちゃんと元歌の工工四に当たりなさいね」ということだったんでしょうが、新バージョンはそこまで丁寧に書き込まれてるし、「場合によっては歌詞の順序が入れ替わることもあります」など、注意書きが懇切丁寧になってるところとか、舞踊の流派によって同じ踊りでも違う曲使ったり付け足したり、というパターンがあるのですが、その工工四も載せてあったりと(いままではコピーを手に入れて該当箇所にはさんだりしていた)とにかく至れり尽くせりの編集方針。

先日の教師研修会では、今までの工工四を全部デジタル化して元データとしたので、今後は間違いが発見され訂正されることはあっても、新たな間違いが増えることは絶対ないんだとか。
(今までは改訂版作るときに手書きで書き直したりしていたので、そこで写し間違うこともあったらしい……汗

じゃあこれで完璧じゃん、と思ったら、なんと舞踊の第二巻に2曲正誤表がはさまれてました。(^^;
片方の「収納奉行」は、実はあまり歌ったことなかったのでまだよかったんですが、問題はもう一方の「島尻天川節」。
えー、もう完璧に間違いパターンで覚えちゃったよ、今から修正かけるの大変なんだけど。どうしよう。うわ~。汗汗

【追記&訂正】
えーと、上に「間違い」と書きましたが、厳密に言うと「間違い」ではありません。
というのは「島尻天川節」というのは民謡でもあるからです。
このへん、「古典と民謡の違いとは何か」という問題が絡んできて少々ややこしいのですが、「古典」は昔から伝えられてきた演奏を崩さず後代に伝えていくもの→工工四に書いてあるとおりに弾くもの。「民謡」は「必ずしも工工四どおりに弾かなくてもいいもの」というより、「ある程度弾けるようになったら自分流に変えていってもOKなもの」なのです。

だから、わたしが今覚えている弾き方も「島尻天川節」のいちバージョンとしてはOKなんだけど、それは現在の「野村流音楽協会公式バージョン」とは違うものなので、公式の舞台で弾く場合はあくまで公式バージョンで演奏しなくちゃいけない、というわけ。
そういえば昨年の川崎芸能大会では公式バージョンで弾いてたわ(今ごろ気づくなコラ)……でも後半は確かに直ってたけど、前半直ってなかった気がタラ~


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Posted by 唯ねーねー at 21:42│Comments(0)お稽古
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