お参りをすませて東の参道へ。向かい合って建っている二軒のお店、「
かざりや」と「
いち和」のうち、左側にある「いち和」に入った。
入口近くの縁台に座ると、向かいにもう一軒の「かざりや」が見える。どちらも盛大に炭火をあおいで、串に刺したお餅(きな粉がまぶしてある)を焼いている。
お茶を飲みながら待つことしばし。ようやくあぶり餅がやってきた。きな粉と白味噌たれとの取り合わせがなかなか美味。
「いち和」というお店は相当に歴史が古いらしく、建物のあちこちにも不思議なものがあったりする。屋根の上のこれって鍾馗様?
それに、わたしが座っていた縁台のすぐ後ろに、なにやらいわくありげな石組みが……
後で知ったのだけど、それはなんと平安時代からそこにあるという井戸で、今も現役。
石段があって中に降りていける構造になってたらしい。
しまったちゃんと見てくるんだった~! 京都の街のど真ん中でウリカー(下り井戸)に遭遇するとは思わなかったよぉ。
今宮神社からぶらぶら歩いて大徳寺へ。どこかの時代劇で見たような白壁と松並木の道を歩いていると、「
春の特別公開」という立て看板が。
限定販売とか特別公開という言葉には弱いので、つい中に入ってしまったのが興臨院というお寺。
お庭は近年資料をもとに復元されたものということだが、すっきりしたいい感じ。方丈の縁側に座ってぼーっと眺めていると、心地よいそよ風も吹いてきて、とても気持ちよい。
きれいに咲いた牡丹の花。
季節の花が飾られたつくばい。
このあと瑞峯院と龍源院を見たが、わたしの好みは興臨院が一番かな。興臨院の庭を見ちゃった後だと、瑞峯院の庭も龍源院の庭もなんだか仰々しすぎるような感じがして……
龍源院の庭。
龍源院の入口。ツツジは盛りを過ぎていたけど見事。
大徳寺脇の「松田老舗」と「大徳寺一久」で昆布の佃煮と大徳寺納豆を買い込み、またバスに乗って
下鴨神社へ。
下鴨神社にお参りした後、糺の森を歩く。明治神宮にくらべるとはるかに年季の入った森というのは、やっぱりなんか違うなぁ。森の間を抜けているせせらぎも風情があっていい。
森を抜けると高野川と賀茂川の合流点が現れる。バス停めざして歩いていくと、橋のたもとに弁天様のお堂が……
「
妙音弁財天」と言って、琵琶の家元だった伏見宮家が守り神として伝えてきた画像をおまつりしてあるらしい。楽器は違えど「三線弾ちゃー」の守護神みたいなものだよね。ここで出会ったのもなにかのご縁、20日の発表会の成功を祈って、念入りにお参りしておく。お願いですから「ステージの魔物」の悪さは最小限にとどめておいてくださいませ。ウートートー(違)。
河原町今出川から堀川今出川までバスに乗って、
晴明神社へ。今みたいにブームになる前から夢枕獏の「陰陽師」ファンだったわたしとしては、やっぱり一度はおまいりしておかなくちゃ、というわけで。
まわりにさほどの観光名所もなく、どちらかと言えば殺風景な街中にあるわりには、ここだけ妙に賑わっているのが面白い。
境内の一角には、五芒星をかたどった「晴明井」が。晴明さんが念力で湧き出させたというこの水、神職さんが立春になるとその年の恵方に水の出口を向けなおすんだそうだ。今年の恵方は子と亥の間らしい。
ここでわたしは、おもむろにミネラルウォーターの入っていたペットボトルを……
そう、大阪のコンビニでお茶ではなく水を買ったのは、このためだったのだ。なんという深謀遠慮(爆)。悪病を払うという霊験あらたかな水でこのしつこいアトピーが治ればなぁ……ま、そこまでのご利益がなくとも、京の名水で入れたコーヒー飲んでみたかったし。
晴明神社を出て前に流れている堀川沿いにすこし歩くと「一条戻橋」がある。
映画「陰陽師」で、牛車に乗ってこの橋を渡る時に「おるかな晴明」とつぶやく源博雅の姿が目に浮かぶ……いいもん、ミーハーと呼ばれても(笑)。
これで一応神社仏閣観光コース終了。次は買い物ツアーだ、と四条高倉へ。お目当てだった足袋屋が休みだったのがショック(ちゃんと調べとけー)だったけど、錦市場を見て、新京極通りを見て……そのへんでもう帰りの新幹線まであと30分(汗)。
バスだと時間が読めないので地下鉄で京都駅へ。最後のお土産とお弁当を買い、グリーン車の乗り心地を満喫して帰宅。
晩ご飯の鯖寿司とお茶。
いやー、京都もなかなかいいもんだわ。資金たっぷり持ってまた来て見たいけど……