月琴姫

唯ねーねー

2007年10月04日 23:51


陰陽師―夜光杯ノ巻

いまやすっかり有名になった夢枕獏の「陰陽師シリーズ」の最新刊。
わたしは第一巻からずっと文庫で揃えているので、とりあえず図書館で借りて読んだ。

いや~、マンネリという人もいるけど、すっかり定式化したプロットの展開がいい具合。ジャンルはちょっと違うけど、野村胡堂の「銭型平次シリーズ」を思い出させる。(ちなみにわたしはこっちのファンでもあります)

相変わらず安部晴明と源博雅は酒飲み友達やってるし、ときどき事件が起きては晴明が推理力を発揮して解決するという流れは同じだけど、今回の「夜光杯ノ巻」は今までになく源博雅が大活躍。とはいっても本人大活躍の実感はないんだろうなぁ。気がついたら巻き込まれてたと思ってるに違いない(笑)。

スケール的には「龍神祭」がピカ一だけど、冒頭の話「月琴姫」がもう最高。
ある夜突然、博雅くんの枕元にエキゾチックな美女が現れて……
まぁすぐわかるオチなのでばらしてしまいますが、美女の正体は博雅くんが帝から借り受けた月琴の精。
あまりの妙音に感動した博雅くんが、愛情こめて取り扱い、「沙羅」なんて名前までつけてしまったため楽器に精が宿ってしまい、ひと騒動おこるわけですが、いやこの話三線弾きとしてはわかるわかる。

いい楽器ってのは、本当に生きてる、というか個性を持ってると思う。2年前に買って「三星(みちぶし)」と名前を付けた三線も、うちに来たときはそーとー機嫌悪かったし。
機嫌直してもらうために毎晩弾き続けて一ヶ月かかった……

三星君(マイ三線の精は、よなは徹似のイケメンだと思ってます)もしばらく弾かずに放置プレイしたら、枕元に出てきてくれるかしら。黒朝(くるちょう)ハチマチ姿で……
いや、三星君はちょっと性格悪いから、黙っていきなり胴皮が破れてたりするかも(爆)。

ちなみに、ひるぎ社おきなわ文庫収録の「三線のはなし」には、黒朝ハチマチ姿で枕元に現れ「でぃ、三線弾ちゃびら」と言ったという三線の精が出てきます。本当だよ。



うちの三星君です。

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