円空・木喰展
前回投稿してからずいぶん間が空いてしまいましたね~。
先週土曜日に、松坂屋で開催の「円空・木喰展」に行ってきました。
どちらも江戸時代に全国を行脚して独特の木彫りの仏像を残した人ですが、円空さんは徳川家光の治世に生まれ、江戸時代が本格的に始まったころの人、木喰は徳川吉宗の治世に生まれた江戸時代真っ盛りの人。
どちらの仏像も個性が際立っていて、実物を見たことはないけど(円空さんはもしかしたらあるかも)、写真などはよく目にしています。なんとなく丸っこい曲線的なほうが木喰さんで、直線的で必要最低限の線しか入れないのが円空さん、というイメージだったけど、今回の展示会は作品数が多くて、作品のバリエーションも豊富。どちらにもいろいろな作品があるのだなぁと認識し直しました。
展示会はまず木喰さん、そのあと円空さんの作品が展示されています。
木喰さんの仏像は、柔らかい曲線が特徴的。ニコニコと笑っている像が多くて、親しみやすい感じがします。事実子どもたちの遊び相手にされてボロボロになってしまった仏像や、33体あったのにその土地の人たちが病気平癒の祈願をするため枕元へと貸し出されているうちに2体行方不明になってしまった(今もどこかで人助けしているのかも)仏様とかあって、なんだかとっても庶民的です。
しかし木喰さん、江戸時代に93歳まで生きて、90過ぎまで作品残しているなんてすごすぎる。旅した地域も北は北海道から南は九州宮崎まで幅広い。
一方円空はというと、必要最低限の線しか入っていないのは「木端仏」といって木の切れ端を彫った仏様で、そういうのばっかりじゃないんだというのが今回の展示会でわかりました。円空さんは若いころ法隆寺で勉強していたそうで、初期の仏像には飛鳥物によく似たものもあります。
名古屋にもけっこう円空さんの作品は残っていて、特に荒子観音には1200体というとんでもない数の円空仏が残っているそうです。「木箱の中から見つかった1024体の円空仏」の発見時の状態を示した写真が展示されてましたが、これがもう圧巻。最初に見つけた人驚いたろうなぁ。
どちらもいわゆる「仏像制作のお約束事」からちょっと外れた(というか、ななめ上にぶっ飛んだ)個性的な作風が面白く、見ごたえのある展示でした。飛鳥物みたいな円空仏や、炎をかき分けて出てくるような木喰さんの不動明王が特に印象に残りました。
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