愛蔵さんの本が出た。
愛蔵と泡盛酒場『山原船(やんばるせん)』物語
この週末も高速バスでお稽古上京。
師匠宅でひさびさに兄弟子の浜岡さんに会った。
で、その兄弟子に「愛蔵さんの本が出たよ」と渡されたのがこの本。あ、もちろんちゃんと代金は払ってます。割引価格だけど(笑)。
著者の下川さんは、アジア貧乏旅行系の本に興味がある人なら知らない人はいないと言えるルポライター。彼がチェンマイの飲み屋で偶然出会ったのが、中野の伝説の居酒屋「山原船」をたたんでタイに移住した愛蔵さんだった……というところから始まる本。一気に読みました。
いやー、いろんなこと考えさせられましたね。
今まで知り合いに断片的に聞かされていた「愛蔵さんの半生」がラインにつながって、「へー、そうだったのかぁ」となんともいえない感慨にもおそわれたし、兄弟子浜岡さんをはじめとする、本のあちこちに出てくる知り合いの姿もなんだか新鮮だし……
でも、愛蔵さんの人生をたどるだけで、戦後から今に至るまでの沖縄問題の一面にも光があたるし、「老後を物価の安い海外で暮らす」という、言葉だけ聞けばパラダイスのような選択の、決してパラダイスじゃない一面も見えてくるし……
そんな中、会社や家族というしがらみから一線を画して、なおかついろんないきさつから「年金受給資格」も失って、文字通り徒手空拳で生きてる愛蔵さんをぎりぎりのところで支えてるのが、愛蔵さんが中野で暮らしていたときに形作った(というより自然発生的に出来上がった)「山原船ファン」と「三線愛好会」のネットワークだ、というのもなんだか考えさせられる話だと思う。
いやだって、これからの世の中、会社も国も老後の保障なんかにならないことはよくわかってるわけで、愛蔵さんの話はヒトゴトじゃないんだもん。となると頼りになるのは親族と友人のネットワークだけかもしれない。家族と友だちは大事にしなくちゃ(笑)。
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