2008年08月30日

ジェゴグ再び

ジェゴグ再び

4年ぶりに、「スアール・アグン・ジェゴグ」の公演に行ってきた。
(あんまり印象が鮮烈だったのでつい2~3年前のことだと思ってたけど、もうそんなにたってたのね……)

まさか名古屋で見る(聴く)ことになるとは思わなかったなぁ(笑)。
前回行ったサントリーホールでの公演に比べると人数が少なくて、迫力という点では前回の方が凄かったけど、メンバーが踊り手もつとめたり、パフォーマンスのバラエティを増やしたり、名古屋のガムラン&ジェゴグ&打楽器演奏集団「スカルサクラ」とコラボしたりといろいろ工夫があって面白かった。

いやあの、ジェゴグで「ボレロ」が聴けるとは……予想外だ。(笑)

前回の公演の時は女性の踊り手が舞台を華やかに盛り上げたものだけど、今回の踊りは男性オンリー。でもこれがまた面白い。
衣装の派手さは女性に劣らないし、肘を外側に張ってぎょろりと目をむく様はまるで歌舞伎の「見得」みたいだし。(実際踊りが終わって引っ込んでいく時に、まるで「勧進帳」の六方を踏むみたいにして退場していった踊りもあった)
その一方で、踊りながらさまざまな印を結ぶようなポーズをとるのはたぶんヒンドゥー文化の影響なのだろうけど、衣装もそれっぽいせいもあって、時々どこぞの密教寺院にある「なんとか明王」そっくりになるところも興味深い。

演奏はあいかわらずエキサイティング。本当にみんな楽しそうに演奏していて、なんだかこれ、客席で聴いてるより演奏に参加したほうが面白いだろうな、と思った。ジェゴグを叩くときにタイミングをはかるためか躍り上がるようなポーズを取ったり(実際途中で踊り出したり)、二組に分かれた掛け合い演奏では、相手を挑発するように掛け声をかけたり……

先日のオリンピック開会式の太鼓演奏みたいに一糸乱れぬ動き、というのも確かにスゴイなぁと感嘆するけど、ジェゴグの人たちのようにそれぞれがバラバラにリズムを取っていながら、たくまずしてウェーブのような動きになったり、時にはみんなの動きが揃ったりするのも、まるで森の木の葉がそれぞれ勝手にそよいでいながら、全体としてひとつの生き物のような動きを見せたりするような感じでなんだか面白い。

ジェゴグのように各自がいろんなパートを受け持つのではなく、みんなが一斉に同じメロディーを演奏するところは違うけど、たとえば「カチャーシー・ア・ゴーゴー」のようなライブで「唐船ドーイ」をノリノリで演奏する雰囲気に近いかなぁ。

でも公演メンバーの「音を楽しむ」姿勢はおおいに刺激になった。やっぱこれが音楽の原点よね。なんだか今度の「沖縄芸能大会」の「器楽合奏」が楽しみになってきたなぁ……三線

あ、そうそう、ジェゴグお約束の「突如イッてしまって暴れ出す人」、今回も出ました。
ジェゴグバトルが始まるとさりげなく舞台袖に待機する「取り押さえ要員」が見えたので、あ、今回も出るかなぁとちょっぴり期待してたんですが(笑)……
まぁ人数が少ないせいかおとなしめではありました。今回は取り押さえられ舞台から引きずり出されたのは一人だけ。でも演奏が終わっても放心状態で動けない人もいたりして(スタッフに介抱されてました)、それほどに音楽に没入する境地というのも、やっぱりスゴイなぁと思ったりして。



同じカテゴリー(みるきくよむ)の記事
ドラゴン・ブレイド
ドラゴン・ブレイド(2016-02-20 17:50)

円空・木喰展
円空・木喰展(2015-06-20 13:01)

ナイトミュージアム3
ナイトミュージアム3(2015-03-29 17:39)

父子デュオ
父子デュオ(2014-03-14 22:34)


Posted by 唯ねーねー at 11:44│Comments(0)みるきくよむ
この記事へのトラックバック
先日京都に旅行した折、鴨川のほとりにある「妙音弁才天」に参詣したのだが、どうやら弁天様はとっても太っ腹な気分だったらしい。今月は「ライブ月間」になりそうな勢いである。自分...
ライブ三昧【MAREBITO@TI-DA】at 2008年08月30日 11:49
今日、サントリーホールでの「スアール・アグン・ジェゴグ」公演に行ってきました。
スアール・アグン・ジェゴグ【MAREBITO BLOG ARCHIVE】at 2008年08月30日 11:53
短いツアーのわりには、今回いろいろなバリ・ミュージックに出会うことができた。ホテルのロビーなどではいつもガムラン音楽がBGMとしてゆったり流れていたし、メリディアン・ニルワナ...
バリ・ミュージック【MAREBITO@TI-DA】at 2008年08月30日 12:43
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。