2014年10月22日

古酒(クース)を空ける

古酒(クース)を空ける

20年前、初めて波照間島に上陸したとき、ほとんど偶然のようなチャンスに巡り合い入手した「泡波」。
はじめは気軽に飲んでいたものの、残りが少なくなるにつれめったには飲めなくなり、21世紀の到来を祝って祝杯を挙げたきり、飲む機会のないまま台所の流しの下で熟成されていったその残量は、一升瓶の三分の一となっていました。

そんな貴重で、ある意味飲むに飲めなくて困っていた「泡波」の残りにようやく手をつける機会が到来!
わが三線教室の実質上の一番弟子(最初に入門したわけではないけど、今となっては一番の古株w)が、今年の琉球古典芸能コンクール三線部門で新人賞に合格したのです。


マスターの許可をもらってこの瓶を持ち込んだ祝いの宴は、新栄の「琉球Trip」で開催されました。

「20年古酒」とはいっても、本格的に甕に移して熟成なんてことはしていないし、早稲田から浦安、浦安から名古屋へと大移動してるしで、お味のほうは正直言って未知の領域。先に飲んだ皆さんの「おーこれはすごい」「まろやか」という声にほっとして、おそるおそる口をつけます。
いや、その前に。
グラスからふわりとくるその香り、まるで泡盛じゃない。
なんだかワインとか吟醸酒みたいな香りなんです。
あれはびっくりしましたね。へー泡盛ってこんな香りも出るんだぁ、という感じで。

最初の香りが落ち着いた後は、あくまでまろやかな口当たり。
お酒にうるさいマスターからも、お褒めの言葉いただきました。
扱いがテキトーだった割には、うまく熟成してくれたものです。よかったよかった。

見事空っぽとなった泡波の瓶は、わたしが大事に持ち帰り、立派なお部屋のインテリアとなりました。
古酒(クース)を空ける

20年前にこの泡波を買った時のことを思い出してみると……
まだ沖縄にはまり始めたばかりの頃。
青い海に魅せられ、赤瓦の家並みに心惹かれ、ここから沖縄に足しげく通うようになりました。
そのうちに三線の音にも魅力を感じて、「安波節」「安里屋ユンタ」からぽつりぽつりと弾き始め……

20年たって、弟子の合格祝いで最後の一滴まで空けるなんて、思いもよらなかったです!
長い間寝かせた古酒を飲むというのは、その重ねた歳月をも味わうことだ、と実感しました。

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Posted by 唯ねーねー at 23:45│Comments(0)OKINAWA
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